FOS第四十五弾にお届けするのは、ウエストゴム入りのリブ使い、全ての切り替えを斜めに流し、その裾部分には三角形の別布をはめ込んだデザインの、斜め切り替えタック、トランスペアレント天竺嵌め込みの膝下丈バルーンスカートです。
右端から左後ろまでその三角形の別布は均一な大きさではなく徐々に大きくなっていきます。しかもその別布に嵌め込んだ素材は、ポリエステルフィラメントのトランスペアレント天竺です。ストッキングのように薄く、本体のレーヨンウール素材と対比をなすような別布使いが新鮮です。そして裾はそのまま裏側に伸びてそのまま裏地と接がれているバルーンデザインです。
DNAをモチーフにしたFF最新作のドットカモフラージュプリント柄、黒地に紅き月をイメージしたものと、赤地に無数のドッドが複雑に配置されたものの、二色展開です。迷彩柄といえば森や葉などの自然を連想させる曖昧な形の模様が一般的ですが、FF では今回、水玉だけを使ってカモフラージュパターンを描きだしました。 そのドットカモフラージュの中には、よく見るとさらに細かいドット線で描かれたフォックス柄が描かれています。そしてこれは今回のFF17/18A/Wコレクションのテーマである RE/WILDING を象徴するプリント柄になります。 RE/WILDING とは、人間の手や管理が行き届きすぎた野生動物の生息する国定公園などに、本来そこにあった状態の野生化をもう一度進めることによって、その生態系が再正常化していき、より豊かになっていくような言葉の意味になります。 そしてその RE/WILDING化をさせる際、そのキーアニマルになっていく動物のことを、キーストーン種と呼びます。その動物にフォックスを選び、描いたプリント柄なのです。

1).デザイン

斜めに切り替えられた接ぎ線、それは縦接ぎだけでなく、横にもやはり斜めに接ぎ線が走っています。 その縦接ぎ線上にはさらにタックが入れられ、立体感が加えられています。 接がれているパーツは一つも同じパターンは使われておらず、逆にいうと、全て形の違うパーツが組み合わされて縫製されています。そのパターンの数は、表スカートだけでも20枚。 スカートというアイテムにもかかわらず、成されている仕事量は膨大です。

2).素材

*ヴィネイシャス ムーン DNA ドットプリント レーヨン ウールシャーリー ー スカート本体に使用
レーヨン80% ウール20% の平織りの薄手のシャーリーという素材。
柔らかくしなやか、でもウールが20%入っていることにより上質感と若干の膨らみもあります。その素材を下地にしてDNAをモチーフにしたFF最新作のプリント柄が描かれています。 黒地に紅き月をイメージしたものと、赤地に無数のドッドが複雑に配置されたものの、二色展開です。水玉だけを使ったカモフラージュパターン、そのドットカモフラージュの中には、よく見るとさらに細かいドット線で描かれたフォックス柄が描かれています。

*ポリエステルフィラメントトランスペアレント天竺 ー  スカート裾三角形のパーツ部分に使用
ポリエステルのフィラメント糸で編み上げた薄手の天竺素材。ツヤ感があり透け感にも優れています。 ストッキングのように薄く、本体のレーヨンウール素材と対比をなすこの異素材感が新鮮だと思います。 巷では、透けるポリエステルチュールのスカートや、異素材使いといえばポリエステルシフォンやジョーゼットをよく見かけますが、FF では敢えてその素材は使わず、布帛ではなくポリエステルフィラメント天竺というニット使いにしました。

3).縫製

総裏仕立て バルーンデザイン。
スカート裾は、裏側まで伸びていて、裏側で大量のギャザーが寄せられていてそれに裏地が接がれています。 バルーン仕立てなので裏側もスッキリを仕上げられています。 勿論、メイド イン ジャパン です。

4).コーディネート

H.P.では今回FOSで同時販売しているコットンダブルボイルのシャツブラウスを合わせ、今回のFOSでは、このスカートの三角形の別布と同じ素材のPフィラメントトランスペアレント天竺デコレーション長袖Tシャツと組み合わせていますが、スカートが派手めな柄ですので、シックな色合いのものと組み合わせるのが無難と思われます。 膝下丈(リブ下約56~54丈)のスカートですので、プリントが派手めでもそこまで主張はしないと思っています。しかも黒のヴァージョンは赤に比べればかなりおとなしい感じかと。